7戸(単身者・生活保護受給者等) 賃料:約7万円 退去期間:開始後2ヶ月

貸主は地元の大地主さんであるが、予算に大変に厳しい方である。当然に貸主の意向を踏まえねばならない。しかし、立ち退きは予算を抑える事も大事であるがまずは、全員が退去しなくてはならない。したがって、失敗が許されないので予算をあまりに詰めてしまうと結果、借家人にしわ寄せがいってしまい紛争を招いてしまう。

予算と退去期限を多少のゆとりをもち折衝していくことが最も重要で、それが一番の得策につながる事をオーナーによく説明してご理解を頂き交渉をスタートした。

相応の移転費用の提案も手伝ってか2名を除き大方交渉回数2回程度にて合意に協力してもらった。

ただ、私の場合は退去期限を先に決めてから、条件提示を行うのだが、一部の方は早期の退去にはいささか難色を示された。そのため、このケースでは退去期限は3ヶ月とするが2ヶ月にて退去できた場合は多少のプレミアムを付ける事にした。比較的若い方々は物件確保しやすかったのか、すぐに明け渡しに応じてくれて、無事退去となった。

残る2件の方々だが、1件は入居して3ヶ月。もう1件は単身女性で何度訪問しても応答がないので保証人の父親に相談を持ちかけた。お父さんは建設関係の仕事を営んでいて、当然業法に詳しい。当初は大家さんの都合でとの事で不機嫌であったが、こちらの勝手をお詫びして周りの方々の状況等もよくご説明し、周りの方よりプレミアムを付ける事でご理解を得る事ができた。

合意から直ぐに退去して頂いた。問題は残る50代単身女性である。聞くところによるとヘルパーの仕事をしているとの事でアパートから200mの所に職場があり居住環境が適していて、さらには、入居後すぐ引っ越しという事で当初は抵抗を示していたが、この方は金銭よりも住環境であるので貸主所有の他物件に転居してもらう運びで、荷造りから開梱まで行う引っ越しパックを提案し、入居者の負担が軽減する事で合意を頂き、これにて全件円満解決に至った。

予算・期限ともに見積もりよりだいぶ廉価に収まり、退去期限に関しては三分の一の日数にて解決した。